死に至る病と言われた梅毒とは?
梅毒という性病を聞いたことはあるでしょうか。
かつては死に至る病とも言われ、恐れられてきた病気です。
現代にも梅毒はあるのでしょうか。
1.治らない性病だった梅毒
梅毒という性病は、かつて不治の病と言われていました。
感染すると鼻がもげる、死に至ると言われており感染者が隔離をされてきた事実もあります。
というのも、当時は梅毒を治す方法がなかったからです。
一度感染するとほぼ死んでしまう、また原因もわからなかったため身の周りに近づくと自分も感染してしまうかもしれない、という恐怖があったのです。
梅毒とはどのような病気なのでしょうか。
2.梅毒とは
梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる菌が原因で感染する病です。
梅毒トレポネーマは皮膚や粘膜の小さな傷から入り込んで、血液に乗って全身を巡ります。
基本的には性交渉で感染する性病ですが、性器の接触に限らず、病変が口にある場合はキスでも感染し、またアナルセックスの場合の感染率が高いと言われています。
感染すると、長い時間をかけて病状を変えながら体がむしばまれていきます。
症状や進行のレベルとして、第1期から第4期まで分けられます。
第1期は感染から、3週間後くらいに病状が出てきます。
症状は、足の付け根などのリンパの腫れや感染部位の近くのしこりです。
いずれも触っても痛みを感じることは稀で、数週間で自然に消えてしまいます。
当然治ったわけではなく、菌が再度潜伏する状態です。
第2期は感染から3か月後くらいに現れてくると言われます。
症状は、全身のアザでバラ疹と呼ばれます。
これは菌が全身に回ったことで出る症状で、体に小豆くらいのできものが多数できることもあります。
第3期は、ゴム腫と呼ばれる大きなしこりで、見ても明らかな病変として現れます。
ゴムのような弾力があり、くるみくらいの大きさです。
またこのしこりが皮膚の中で潰れて潰瘍になることもあります。
感染から3年から10年くらいで現れます。
第4期は末期症状です。
全身が菌に侵され、内臓や脳にまで異常が出ます。
3.現代の梅毒
簡単に症状を見てきましたが、現在では第3期以降までになってしまう場合は非常に稀です。
というのも、梅毒の特効薬があるためです。
それは、1928年に発明された世界初の抗生物質であるペニシリンです。
基本的に、梅毒はペニシリンの投与によって比較的に簡単に治療することができるのです。
では、現代の梅毒は全く心配しなくて良い、過去の病気なのでしょうか。
答えはノーです。
実は若年層に梅毒が激増しているという研究があるのです。
性の多様化などが原因なのではないかと言われていますが、はっきりとは分かりません。
ただ梅毒の知識がなく、感染しても病院を受診しない、何の病気か分からないまま放置しているという人が少なからずいるということは明らかです。
梅毒に感染している場合は、HIVにも感染しやすいと言われています。
きちんと知識をつけ、疑われる場合は検査を受ける必要があります。
検査は医療期間に限らず、性病検査キットを利用して受けることも可能です。
性病検査キットは自宅で気軽にでき、プライバシーも守られるため安心できる検査方法と言えます。